参考文献

参考文献1 日医総研ワーキングペーパー  No.158(平成20年1月)

「病院排水の処理状況に関する調査」

(内容1)2004年~2006年に埼玉医科大学の病院内で発生した多剤耐性緑膿菌による感染が、病院内の水回りで繁殖し、配水管を通じて生じた可能性があること。配管の乾燥や管内の圧の変化による衛生器具の水封切れが原因となる可能性があること。

(内容2)2003年香港の高層住宅でSARS集団感染が、トイレの配水管内で発生したウイルスを含む飛沫が住民に吸引されたことが原因であること。
       
(内容3)東北大学の研究として、医療機関からの排泄物に含まれるにノロウイルスと同じRNAと同じRNAが養殖カキ殻検出され、「病院排水」→「下水道」→「下水処理場」→「河川」→「海」→「養殖場」と云う環境汚染が拡大していることが判明。
また、ノロウイルスに対しては塩素殺菌(次亜塩素酸ナトリュウム)が有効でないことも解明。

参考文献2 ユーロサーベランス  No.21(2016年4月)

「カルバペネム耐性菌の追跡調査」

(内容1)カルバペネム(Carubapenem)耐性菌の一種アシネクトバクター(Acinectobacter)が病院内で多剤耐性化し、下水道を通じて一般環境内で検出されていること。多剤耐性菌による感染が病院内だけでなく、一般環境下でも起こることに警鐘を鳴らしている。
       
(内容2)これらの耐性菌は、オートクレーブ(加熱滅菌)処理にも生き残り、一般的な下水道の殺菌処理でも効果がない。
     

参考文献3 Antibact,Antifung,Agents  N0.7 (1995年)

「二酸化塩素の殺菌性:日本食品分析センター」

(内容1)別表に有る用に多種の殺菌剤を使用し、その殺菌性能を調べた結果、純粋二酸化塩素ガス溶液は他に比べ低い濃度で強い殺菌性能を示した。
       
(内容2)塩素(次亜塩素)殺菌によるトリハロメタンの生成が問題と成っている。欧米の多くの浄水場では50年以上前から二酸化塩素が使用されているが、この試験でその優位性が証明された。
※ >はその濃度においても殺菌性のないことを表しています
 (注)この文献の「純粋二酸化塩素」は不純物のない二酸化塩素であり、一般の二酸化塩素は不純物を含み不安定で、多くの環境下では効果をなくす。「安定化二酸化塩素」は二酸化塩素をアルカリに溶解させて安定化させた製品で、酸性環境下で活性化する。

参考文献4 感染症情報センター広報 (2004年第11週)

「感染症の話」

(内容1)ノロウイルスは次亜塩素酸ナトリュウム溶液などで消毒するか、85℃以上で少なくとも1分以上加熱する必要がある。
(補足:文化省スポーツ・青年局学校健康教育課 平成20年3月広報)
ノロウイルスに有効な消毒方法として広く認識されている1,000ppm~5,000ppmの濃度の次亜塩素酸ナトリウムは腐食性が強く臭いもきついので、衛生管理では使用しにくい。ネコカリシリウスなどを用いた不活性化試験で効果のある消毒剤を選定するとよい。

参考文献5 循環制御 第39巻第1号(2018年)

「医療機関に由来する排水中に存在する医薬品成分と高度処理技術の開発:大阪医科薬科大学」

(内容1)医薬品成分の水環境汚染問題が世界的に規模で発生していることから、社会的に重要課題となっている。水環境中から医薬品成分の検出される原因は、服薬された医薬品が体内で吸収され排出される過程で、一部成分が吸収されず排出されることによる。これらは体内で薬理作用を発揮する濃度レベルよりは低いものの、生態系への毒性影響や薬剤耐性菌発生を助長させることが懸念さてる。

(内容2)排水の調査を行ったところ、各種医薬品成分は病院排水で高く、下水処理場入口でも同程度どの濃度で検出される成分もある。下水道処理区域内での病院に由来する医薬品成分の寄与率は数%~80%と高いことが判った。

(内容3)これらの排水中の残留薬品成分の分解・無害化の方法を調べた結果、表のようにオゾンを用いた処理方法が調査対象とした薬品成分に内地有効であることが判明した。

参考文献6 北里大学報告書(北里大学医療衛生学部微生物研究室)

「有機物存在下における安定化二酸化塩素によるウイルスの不活性化の検討」

(内容1)安定化二酸化塩素はそれ自体安定であり、3,500ppmでもほとんど殺ウイルス効果はないがオゾンなどの酸化剤が存在すことにより活性化され、強力な殺ウイルス作用を示す。

(内容2)有機物であるFBSが1%存在する試験水に1時間オゾンを通気した後、安定化二酸化塩素を10ppmになるように添加し更に30分間オゾンを通気した処理水を用いて殺ウイルス効果を調べると、インフルエンザウイルス及びHVSでは検出限界以下になり、他社の殺ウイルス剤と比較して強い殺ウイルス効果が認められた。

参考文献7 名古屋報告書(名古屋大学医学部保健学科基礎検査学講座)

「安定化二酸化塩素及びオゾン共存による殺菌効果の検討」

(内容1)有機物の存在下で安定化二酸化塩素の濃度を、5ppm、10ppm、20ppmに変化させは処理水に2ppmのオゾンで30分から60分暴露させた結果の報告で、検証結果はBacillusubtilisに対し1/10,000の減少が確認され感染性廃棄物の処理に有効である。(Bacillusubtilisは炭疽菌の代替菌)

参考文献8 環境感染誌 Vol.30 2015/4

「抗酸菌及びそのバイオフィルムに対する次亜塩素酸ナトリウムと二酸化塩素ガス溶存液の殺菌効果」(大阪府立公衆衛生研究所)

(内容1)多くの細菌が自然界や人口の施設・器具などにバイをオフイルムを形成し増殖する。バイオフィルムは消毒剤や抗菌薬に抵抗性を高めることが判っている。

(内容2)複数の被験菌によりバイオフィルムを形成させた上で、次亜塩素酸ナトリウムと二酸化塩素ガス溶存液で比較実験を行ったところ、次亜塩素酸ナトリウム溶液では高濃度かつ長時間を要したが二酸化塩素ガス溶存液100mg/ℓでは急速に作用し5分間暴露で検出限界以下に減少させた。
※以上は参考文献の部分的な抜粋です。全体をお知りになりたい方は当社にご連絡ください。

新聞記事1 朝日新聞 2007年12月23日

(内容) 環境省の研究班などの実験がから、病院などから流出する残留薬剤が環境を汚染し、生物の成長増殖を阻害させる危険性があること。
浄水場での試験では、大半の医薬品の9割がオゾンにより除去・分解されることが判っている。

新聞記事2 読売新聞 2016年4月14日

(内容) 「耐性菌初の政府対策案」として、耐性菌による13年の死者は全世界で70万人だが、50年にはガンを上回る1,000万人に達成するとの試算を受け、20年までに抗菌薬使用量を3分の2に削減するとしている。→20年現在実現化していない。